2010年4月29日木曜日

小杉榲邨資料について少しだけ

のらねこさんのブログに「小杉榲邨と『 阿波國風土記編輯雜纂 』」との
気合いが入った記事が出てました。
敵うとか敵わないとかのレベルじゃなくて、改めて調査力と洞察力の凄さを
思い知らされます。
で、敵わぬまでも(←まだこんな事言ってるよ)小杉榲邨について出し惜し
みしてた隠し玉を少しだけ出してしまいましょう。(←ケチくさー)

国立国会図書館所蔵小杉文庫についての解説資料中に下記のような一文を
見つけてました。

「小杉榲邨旧蔵資料の散逸と現在の所蔵機関」
ほーら、自分の体がこんな事を書くのはもったいないと言ってる。
(うそうそ、一人じゃ調べきれないので書いちゃいます)
長文ですけど引用しちゃいます。
中途の部分なので、解りにくい所を少し編集してます。

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現在の主な所蔵機関について、当館(国立国会図書館)のほか
静岡県立美術館小杉文庫
北海学園大学附属北駕文庫
東京都立中央図書館
国文学研究 資料館史料館を
『国立国会図書館百科』は、そのほか東京国立博物館
東京大学史料編纂所を挙げている。
一方、川瀬一馬氏によれば、和田維四郎 (雲村)が小杉本を収集したとのことであり、雲邨文庫は、現在東洋文庫内 の岩崎文庫と大東急記念文庫内の久原文庫に分蔵されている。
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おー、だいぶでてきたでしょ。
それぞれの機関の説明はというと

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①静岡県立美術館 藤江家に伝わった古典籍・書画・拓本類347件。美術品的なものが多い。『藤江家旧蹟小杉文庫目録』『小杉文庫名品抄』

②北海学園大学附属北駕文庫  『行啓紀念北駕文庫蔵書略目録第一巻』「小杉博士の部」によれば古典籍類、神祇関連資料を中心に130件がみられる。

③東京都立中央図書館  『加賀文庫分類目録』中に、庭園関係、和歌関係 の書籍など8件がみられる。蔵書印の情報は掲載されていないため、小杉榲邨の編綴本や書写本以外については未詳。

④国文学研究資料館史料館『史料館収蔵史料総覧』により「小杉榲邨収集文書』および『徴古雑抄』2件331点が確認できる。前者には『東大寺正倉院文書』の写本なども含まれている。

⑤東京国立博物館  『東京国立博物館蔵書目録』和書1-2によれば、神祇、歴史、考古関係資料中心に133件がみえる。小杉榲邨の書写本及び蔵書印が ある資料を抽出した。

⑥東京大学史料編纂所『小杉美二郎氏ヨリ購入書庫目録』及び「所蔵史料データベース」によって、20数件の資料が所蔵されていることが分かる。 古経典などの善本が多い。また、小杉榲邨および養嗣子美二郎への史料採訪 の結果収集された、小杉本の写本や写真も数多く収蔵されている。

⑦東洋文庫・大東急記念文庫 岩崎文庫を悉皆調査したところ10件、『大東急記念文庫書目』から9件の小杉本が確認できた。

 各地の図書館に四散した小杉本の全体像を復元ずるごとは困難であるとは 、いえ、主要な機関に残されている小杉本と小杉楓邨の生涯・著作を併せ考えると、古典籍・古文書の網羅的収集に加え、神祇関係、美術・工芸関係、歴史・考古関係の資料を多く所蔵していたと推定できる。


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この前「ぐーたら」が北海学園大学資料を追っかけてたと書いてあったのは、ここからです。神祇関連資料と目録に見たいのがあったんですが、資料名だけで内容が不明です。
いくら何でも北海道まではいけませんし、いちいちコピーなりを取り寄せてたんじゃいくらかかるか分りません。
それはさておき、この「国立国会図書館所蔵小杉文庫」の所蔵は?というと。
ウィーン博覧会関係の資料が多くどちらかと言えば『東京国立博物館蔵書目録』のほうに
阿波関係の資料名が散見されます。

『重訂御書籍目録』
『和学所等書籍目録』
『粟田日記』
『諸神本懐集』
『白川家服仮雑穢略抄』
『白川家神道秘書』
『神器考証』
『熊野神社考定』
『熊野新宮神宝図』
『直毘霊補注』
『日本神字考』
『神代文字考』
『異体文字』
『日本正紀序』
『逸号年表』
『山陵考略』
『旧考余録』
『日神地名録』
『石見国地誌ぬき書』
『伊予国旧跡考』
『箋釈豊後風土記』
『上古備中国五郡図』
『淡路国全図』
『天平七年弘福寺領、讃岐国山田郡古図』
『阿波国祖谷山菅生氏所蔵旗銘紋』
『阿波国祖谷山阿佐氏所蔵◯銘紋』
『阿波国助浦郡田之浦村発掘破甲図』
『淡路国之図』
『阿波国名東郡宮神像』
『阿波国鳴門真景』
『阿波三図』
『阿波野冊図』
『出雲大社図』
『伊予国三島神社所蔵古鏡銘』
『阿州雲辺寺門』
『宮城図』
『享保年間徳島方角図』
『皇太神宮宮域図』
『御即位図』
『斎宮寮斎宮領図』
『月読宮宮城図』

目録中、関係ありそうな文献を記してみました。
タイトルだけなんで関係ないのもだいぶ混じってると思います。
最後の『月読宮宮城図』なんて凄そうじゃないですか。
また、『神代文字考』もぜひ一読したい書名です。
ただ、「東京国立博物館蔵書目録」「国立国会図書館所蔵小杉文庫」には
阿波の風土記関係書名は顕われてきてません。
今後、上記機関の目録などを調べていくつもりですが、いや気が遠くなりそうです。

最後に資料中の一文を記しておきます。
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その後、藩内の尊皇・佐幕の争いに関与して幽閉された小杉は、その間 「万葉集」「古事記伝」などを精読する機会を得るとともに、「遺存古文書考証」「本国風土記名跡考」を構想する。

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「本国風土記名跡考」これが何を意味するかはお分かりですよね。

5 件のコメント:

  1. のらねこさんが凄いと思っていたら、ぐーたらさんもこれまた凄い内容で・・・(@_@;)!!
    レベルの高いブログになっております\(^o^)/
    私は図書館をほとんど利用していなくて・・・。
    ぐーたらさんをお手本に、図書館を上手く利用したいとあらためて思いました!!
    色々参考にさせていただきます(*^_^*)♪

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  2. to すえドン さん
    まだ調べてる途中のことばっかりで恥ずかしいです。(*/∇\*)キャ
    ところで貞光の織本屋のスケッチブックの2枚目に不審な書き込みがあるとの
    怪情報が。(・0・。) ほほーっ

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  3. ほめてもなんもでませんよ。
    古風土記見つけたら、ぶどうまんじゅうこうてあげます。

    しかし、ネットというものはありがたいですね。
    いつかはこの網に大物がかかるでしょう。

    逆に言えば、資料と足だけで、これだけの物を収集した小杉榲邨という人はもっと評価されるべきですね。

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  4. to のらねこ さん
    えっ?何もでないんですか(笑)
    >古風土記見つけたら、ぶどうまんじゅうこうてあげます。
    ぜひ買ってもらいたいもんです。

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  5. 織本屋の書き込みを確認してきしまた♪
    暗号でも書いてあるのかと・・・ドキドキして・・・(笑)!!
    ありがとうございます♪
    わざわざつるぎ町まで来ていただいて(●^o^●)♪

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