2012年6月8日金曜日

自葬事略

小杉 榲邨(こすぎ すぎむら)を知ってますか?
阿波が誇る最後の国学者と言われた巨人ですが、一般的な評価はあまりにも低すぎます
というか、あまりにも知られておりません。

天保5年12月30日(1835年1月28日) - 明治43年(1910年)3月29日)は、国学者。阿波国(現徳島県)出身。

藩校で漢学経史を学び、古典の研究に専念し、本居内遠の門人である池辺真榛に師事。安政元年(1854年)、江戸に出て、村田春野、小中村清矩と交わった。文久ころ、勤王論を唱えて幽閉された。明治2年(1869年)、藩から地誌の編集、典籍の講義を命じられた。
廃藩ののち、名東県に出任した。明治7年(1874年)、教部省に出仕し、明治10年(1877年)に文部省で修史館掌記として『古事類苑』の編集に従った。
明治15年(1882年)、東京大学古典講習科で国文を講じ、さらに文科大学講師、その間、帝室博物館監査掛評議員として古社寺の建築、国宝の調査に従事し、明治32年(1899年)、東京美術学校教授、御歌所参候を兼ねた。

明治34年(1901年)、文学博士。「徴古雑抄」の著がある。
明治40年(1907年)、『源氏物語』の写本のひとつである大沢本を鑑定した(「鑑定筆記」)。

wikipediaより

この「徴古雑抄」阿波史どころか国史を語る上で重要な資料ですが、それも一般的には知られていないのが事実です。
また、今出てくれば史界がひっくり返るであろうと言われる「阿波国古風土記名蹟考 」を著しておりますが、残念ながらこの著作行方不明となっております。

さて、この小杉 榲邨、明治三年十月の著書「自葬事略」が出てきました。

どこから出て来たかのか?
ボクの家の庭に埋めてあったので・・・はありません(あったりまえじゃん)。
「国立国会図書館デジタル化資料」です。
この国立国会図書館、数年前から資料のデジタル化を精力的に進めていて

つい最近の5月28日新規公開された1700冊のリストの中に「これ」がありました。
「自葬」とは
自葬とは自分の信じるところによって行なう葬儀で、江戸時代の神道、儒教はともに自葬であって、喪主以下の人々が神道、儒教の式次第に則って行なった。
とあり

明治5年6月28日、葬儀に関する二つの布告が発せられた。一つは自葬を禁止して、今後は神式又は仏式で行なう。第2は神官の葬儀執行を認可したもの。「従来は神官は葬儀に関係しなかったが、今後は葬儀を依頼された場合、喪主を助けること」と定められた。
とのことで
「まだ中身は読んでませんが」この自葬についての事例が書かれてるのかなと思います。(←読んでから書けよ)
明治3年5月14日には徳島藩より「阿波国続風土記」の編纂を命じられており、その頃の著作である事も興味を引きます。
興味のある方は国立国会図書館のこのページからご覧になって下さい。
10ページ程の薄い本ですが、上の画像のように達筆でなかなか読めません。
特に病気の人は読んじゃダメよぉ。
よければ「阿波国続風土記」も見ていただいて、現代語訳できる人がいればお手伝い下さい。(ちょっと訳しただけで全然進まないのよ〜)

またちゃんと読んだら内容もご紹介しますんで、気長に(何年か(笑))待っててね。

5 件のコメント:

  1. ぐーたらさん、こんばんは。
    おもしろい!んでしょうね、読めたら。
    戎をカラと読むなんていう単語だけでも勉強になります。
    完訳を楽しみにお待ちします。

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    1. to ALI爺さん
      おもしろい!と思いますよ(笑)
      なんといっても「小杉 榲邨」大師の手によるものですし。
      まあ、これだけでなく、他のいろいろな小杉氏の資料が出てくる事を
      期待してるんですが。

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  2. 筑波大学附属図書館の所蔵資料「阿波国続風土記」ですが、県立図書館に
    「麻植郡風土記」として活字印刷されて所蔵しています。

    平成18年10月発行となっています。
    こちらを利用されてはいかがですか?

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    1. to 猫麻呂さん
      ありがとうございます。
      「麻植郡風土記」があるのは知ってましたが活字になってたんですね。
      麻植郡の部は参考にできると思います。

      ただ、「阿波国続風土記」その他の部分の方が膨大なのです。
      でも書いているのですが、「麻植郡風土記」は
      「阿波国続風土記」こと「阿波國風土記編輯雜纂」の中で久富憲明が著した
      ほんの一部です。
      http://goutara.blogspot.jp/2010/03/blog-post_21.html
      でも書いておりますが、メンバーとして
      風土記編輯御用掛
                     長久館出仕     松浦 宗作
                     常三島       渡辺 圓
                     同         八木 正典
                     御弓町       郡 一郎平
                     佐古 椎宮下神職  生島 瑞穂
                     板野郡坂東村神職  永井 五十槻
                     阿波郡尾開村士族  四宮 哲夫
                     同郡香美村神職   浦上 美澤
                     美馬郡上野村神職  二宮 香取
                     三好郡盡間村神職  近藤 忠直
                     麻植郡山崎村郡付卒 久富 永治郎
                     名西郡諏訪村神職  多田 義高
                     名東郡早渕村郡付卒 後藤 麻之丈
                     勝浦郡小松島浦   八木 佳七
                     那賀郡吉井村    服部 友三郎
                     同郡大京原村    高石 延吉
                     海部郡郡奥浦    桂  弥平
                     同郡牟岐浦神職   榊  枝直
                     同郡同浦神職    阿部 三豊
      等々の調査の報告書です。
      もちろん野口年長も入ってます。
      その他にも「池辺 真榛」への聞き取りや「池辺 真榛」直筆の和耶神社略考などの論文
      また伊予大三島社司である管右京長好への聞き取り等多岐にわたる資料の雑纂です。
      よろしければ、もう一度
      https://sites.google.com/site/awakokufudoki/
      の内容をご覧に成って下さい。
      膨大な資料の広がりに御納得いただけると思います。

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  3. ぐーたらさん 本当に膨大な資料ですね。
    こちらでも、解読できる方を方々あたってみます。

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