2013年3月31日日曜日

延喜式内社 宇母理比古神社

阿波國続(後)風土記についてはもう少しだけ続きますが、こればっかりでも飽きてしまうので(書いてる方が)ちょっと違う記事も入れてみます。

徳島市八多町森時に鎮座する延喜式内小社「宇母理比古神社」です。
もしかしたら、県内の延喜式内社の中で最もネットに公開されてる写真が少ない神社ではないでしょうか(笑)
場所はここ

より大きな地図で 宇母理比古神社 を表示

そうそう、かの「速雨神社」のすぐ近くです。
御祭神 鵜鷲守神 鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)の別名ともいう。
創祀年代 不詳
「宇母理大明神」、「森時大明神」とも呼ばれた古社。近くを流れる八多川の氾濫により、社殿や古文書等ことごとく失われた。明治8年(1875年)に村社に列した。
wikipedia
場所は分りにくく、駐車場は当然なし。
畑を通らずに近づくにも迷いましたとさ(笑)
道路からこうやってかすかに見えてなきゃ帰ってました(笑)


詳しい資料も見つからず、「神名帳考証 阿波國」の部には
古事記ニ ウモリ王アリ。敏達(びだつ)皇子 宇母理王母者庶妹豊御食炊屋姫命
「神名帳考証」がどういう意図で豊御食炊屋姫命(とよみけかしきやひめのみこと)の名を出してきたのか不明ですが、豊御食炊屋姫命とは推古天皇(すいこてんのう)の和風諡号であり、宇毛理王とは敏達天皇と推古天皇の皇子であるのですぞ。

また、ちょっと脇道にそれて
敏達天皇(びだつてんのう)について
欽明天皇の第二皇子。母親は宣化天皇の皇女・皇后石姫皇女。
ですがwikiには

皇后(前):広姫(ひろひめ、息長真手王の女) 敏達4年(575年)薨去
 押坂彦人大兄皇子(おしさかのひこひとのおおえのみこ、麻呂子皇子)
 逆登皇女(さかのぼりのひめみこ、坂騰王)
 菟道皇女(うじのひめみこ、宇遅王) 伊勢斎宮
皇后(後):額田部皇女(ぬかたべのひめみこ、後の推古天皇)
 菟道貝鮹皇女(うじのかいたこのひめみこ、菟道磯津貝皇女・静貝王) 聖徳太子の妃
 竹田皇子(たけだのみこ)
 小墾田皇女(おはりたのひめみこ) 押坂彦人大兄皇子の妃
 鸕鶿守皇女(うもりのひめみこ、軽守皇女・宇毛理王)
 葛城王(かずらきのみこ、古事記のみ)
 尾張皇子(おわりのみこ) 橘大郎女の父
 田眼皇女(ためのひめみこ、多米王) 舒明天皇の妃
 桜井弓張皇女(さくらいのゆみはりのひめみこ、桜井玄王・由波利王) 
 押坂彦人大兄皇子の妃・来目皇子の妃 
等とあり、微妙に御祭神と社名とでシンクロしてくるところがなんとも言えません。


古に、八多川の洪水により、社殿や古文書などすべて流出したとの話もあり、由緒については不明な点ばかりです。

で、社名が「宇母理比古」であるからには、やはり「宇毛理王」のことではないでしょうかね。鸕鶿守皇女(うもりのひめみこ)のあたりで、御祭神を「鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)」の別名である鵜鷲守神と取り違えたのなら納得です。
ただし、「宇毛理王」って皇女なので「比古」が付くのはおかしいんですけどね。
一応、「大日本神名辞書」にも、こうありますしね。


、なんで「ど田舎、徳島」の、さらに田舎の「八多町」に(書いててつらいのよ)「宇母理」を冠する神社が祀られているのか、考えて下さい。
また、他に「宇母理」「宇毛理」を祀る神社があるのか、あれば教えていただきたいのです。

ま、こんなもんかな。
また「阿波國続(後)風土記について(6)」を書かねば(涙)


7 件のコメント:

  1. サクラサク48692013年4月3日 17:10

    ぐーたらさん、こんにちは。
    敏達天皇の皇女「宇毛理の王」のことだったのですね。
    「宇母理比古って誰よ?」の疑問のまま終わっていました(^O^)
    ご兄弟に阿波や讃岐絡みのお名前が見受けられますね。
    今、気がつきましたが、敏達天皇の和風諡号に「太玉」が入ってるゥ(笑)
    これって阿波と考えて良いですか?

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    1. >敏達天皇の和風諡号に「太玉」が入ってるゥ(笑)これって阿波と考えて良いですか?
      阿波っぽいですけどね(笑)
      ちょっと微妙(笑)
      それにしても八多は面白いですね。

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  2. お久しぶりです。この神社気になっています。ここの集落の上流に風早って集落があります。珍しい地名なんですが、和名抄にはない地名ですので、そんなに古くないかもしれませんが、伊予国の風早郡=旧風早国には、那賀郷と粟井郷があって、徳島の阿波の元になった2国の国名がついているのが風早国なんです。しかも那賀郷にあたる愛媛県の菊間町には、古くからの長津神社があって長国造と関連する出雲神を祀っています。宇母理比古に関しては、神名帳考証はちょっとあれなのでがんばって探索中です。

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    1. ご無沙汰しております。
      確かに宇母理比古に関して、神名帳考証は「アレ」ですね(笑)
      でもとりあえず外に見るものが無かったので(笑)出してみました。
      なにか見つかりましたらぜひともご教示願います。
      風早国については初耳です。
      最近、腰がアレなんで(笑)ちょっとマシになったら、頑張って調べてみます。
      ありがとうございました。

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  3. 欠史八代でぐーたらさんのページがヒットしました。炊屋って「かしきや」と読むのですね、カツオ船で飯を炊く係が「かしき」というそうなんですが、やまと言葉が生きているってことなんでしょうかね。ちゃちゃ入れてすんまそん♪

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  4. 欠史八代でぐーたらさんのページがヒットしました。炊屋って「かしきや」と読むのですね、カツオ船で飯を炊く係が「かしき」というそうなんですが、やまと言葉が生きているってことなんでしょうかね。ちゃちゃ入れてすんまそん♪

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    1. ふつーの方言の資料をみても阿波は京都の古語と共通する部分が多々あるそうで、そこらから攻めても面白いんじゃないでしょうか。

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