2019年3月29日金曜日

番外:上賀茂神山 垂跡石

今回は番外ということで、ちょっと所用で京都に行ってまいりました。
まず到着いたしましたのが

上賀茂神社
京都府京都市北区上賀茂本山339

賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)は、京都市北区にある神社。通称は上賀茂神社(かみがもじんじゃ)。式内社(名神大社)、山城国一宮、二十二社(上七社)の一社。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。

ユネスコの世界遺産に「古都京都の文化財」の1つとして登録されている。

京都最古の歴史を有する一社であり、かつてこの地を支配していた古代氏族である賀茂氏の氏神を祀る神社として、賀茂御祖神社(下鴨神社)とともに賀茂神社(賀茂社)と総称される。賀茂社は奈良時代には既に強大な勢力を誇り、平安遷都後は皇城の鎮護社として、京都という都市の形成に深く関わってきた。賀茂神社両社の祭事である賀茂祭(通称 葵祭)で有名である。
wikipedia

御祭神 賀茂別雷大神 (かもわけいかづちのおおかみ)






賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)

『山城国風土記』逸文には、賀茂別雷命について次のような記述がある。賀茂建角身命(賀茂御祖神社の祭神)の娘の玉依姫(同じく賀茂御祖神社の祭神)が石川の瀬見の小川(鴨川)で遊んでいたところ、川上から丹塗矢が流れてきた。

それを持ち帰って寝床の近くに置いたところ玉依姫は懐妊し、男の子が生まれた。これが賀茂別雷命である。賀茂別雷命が成人し、その祝宴の席で祖父の賀茂建角身命が「汝の父と思はむ人に此の酒を飮ましめよ(お前のお父さんにもこの酒をあげなさい)」と言ったところ、賀茂別雷命は屋根を突き抜け天に昇っていったので、この子の父が神であることがわかったという。丹塗矢の正体は乙訓神社の火雷神であったという。

なお、賀茂別雷命の出生についての話と同様の話が『古事記』(大物主神と比売多多良伊須気余理比売)や『秦氏本系帳』(阿礼乎止女と大山咋神)にもあり、特に後者の話と混同されて、「賀茂別雷命の父は松尾大社の大山咋神である」とする話も流布している。
wikipedia

神代の昔、本殿の背後北北西に位置する秀峰・神山にご降臨になり、第40代天武天皇の御代・はくほう6ねん(678)には、山背国により賀茂神宮が造営され、現在までほとんど変容することのない御社殿の墓が築かれました。 以下略
上賀茂神社公式HPより

で、ここが「そこ」になるわけです。
ならば「そこ」を御参拝させていただこう思いたったわけです(笑)

で、今回は神山(こうやま)西南から登坂します。
そうなんです、神山とかいて「かみやま」ではなく「こうやま」と読むのです。
東からのルートもあるんですが、京都産業大学の所有地が含まれており、体育館からゲートを抜ける許可が必要であるため、今回は見送りました。

左下に見えるグラウンドからは多分数百メートルなんでしょうが、さてと。

それでは神山(こうやま)を見上げて、アプローチと参ります。

ちなみに立命館大学弓道場の脇を通ってアプローチです。

いきなり障害物発見。
先が思いやられます。

ところどころ、赤テープが残ってるけど古い。
それと山の勾配のきつさが分かっていただけますでしょうか。

まあ、テープ見つけると安心ですけどね。

アプローチ開始から45分、山頂到着。

円形の磐座が組まれておりました。

ここがMapにもある「垂跡石」です。

ここに賀茂別雷神が降臨したというのです。
まあちょっと考えてみてください。
一般的には全国の賀茂社の総元締めは「上賀茂神社」その御祭神が降臨したと言われるのが「ここ」なんですぞ。

では「賀茂別雷神」とは、といいますと。
「賀茂之本地」(上画像)によれば
此神天上にしては、あちすきたかひこねの神(阿遅鉏高日子根神)と申。 地にくだらせ給ては、わけいかづちのしん(別雷神)とあらはれ、 国土をまもり、風雨をしたがへ、五こく(五穀)をさかやして万民をたすけおはします。 御本地をたずぬれは、しやかむにせそん(釈迦牟尼世尊)のをうげ(応化)なり。 ぐせい(弘誓)のうみ(海)ふかう(深う)して、あまねくしゆじゅやう(衆生)をさいど(済度)し給へり。 ちはやふる(千早振る)神代のむかし日向の国にあまくだらせ(天下らせ)給て、とし(年)久しうぞすみ(住み)給ひける。 それよりやまと(大和)の国かづらきのみね(葛城の峰)にとびうつりおはします。 もとよりこの山には。かものたけずみのみこと(賀茂建角身命)と申御神すみ給ひしが、この山をゆずりて、たけずみのかみはやましろ(山城)の国にいたりて、をたぎのこほり(愛宕郡)、をかだむらにすみ給ひける。

「賀茂別雷神」は「阿遅鉏高日子根神(あじすきたかひこねのかみ)」であるそうです。
ただし、出典は江戸時代の、いわゆる本地本でありまして、絵物語でもあります。
に、しても「賀茂別雷神」は「阿遅鉏高日子根神」であるという共通の認識があったことには違いなく、阿波の神山(かみやま)を知る人にとっては、胸を打つものがあるでしょう(笑)
無論、狭心症ではありません😙😙😙



この「賀茂別雷神」を祀ってきたいわゆる「賀茂族」のうち地祇系の賀茂族は

大鴨積命(大鴨積)を始祖とし、三輪氏族に属する。大鴨積命(大鴨積)は大物主(三輪明神)の子の大田田根子の孫で、速須佐之男命の11世の孫である。

大鴨積は鴨の地に事代主を祀った神社(鴨都波神社)を建てたことから、賀茂君の姓を賜与された。なお、現在鴨の地にある高鴨神社の祭神である事代主や味鋤高彦根神(迦毛之大御神)は鴨氏が祀っていた神であると考えられている。
wikipedia

と、いろいろ繋がりかけてくるのですが、ここらは師匠の「鳥の一族」再開で全てが明らかになると思われますので、ワタクシめは、ここらで止めておきます。

山頂後参拝のあとは10回くらい滑り落ちながら降りてまいりました(笑)


靴がね、それ用じゃなかったんですよ。
ポールも持ってなかったしね。

その後は、知ってる人は知っている、京都植物園の真ん中に鎮座いたします
「半木(なからぎ)神社」へ御参拝。


御祭神は「天太玉命」

御祭神は現在「天太玉命」で由緒書きには
「賀茂族と秦族が阿波国から勧請した」との記述が見られますが、上記の賀茂族の縁起等を考えますと、明らかに「御祭神は違うでしょ」と言いたくなるのです。
なんで賀茂族・秦氏が忌部の祖神を祀るの?
詳しい説明は今回の本筋じゃないので割愛いたしますが、個人的には「阿遅鉏高日子根神」以外は考えられません。

というふうに、半日這いずり回ってきたのです。
まあ、ワタクシごとではございますが、これで四十年来の因縁の一部が解消されたように思われまして、一段落ついた気分なのです。

さて、やっと「倭の神座す地」最終回にかかります(といっても粗方書けて.....いや書けてない!!)。

4 件のコメント:

  1. 人気雑誌の特別創刊号を待つごとく、首を長くして待っておりました。
    啓蟄を過ぎて、やっと穴から出てこられた、といった感じでしょうか。
    (グータラさんを“〇〇虫”と敢えて例えるなら、さしづめ“本の虫”でしょうか。)

    それにしても啓蟄明け第一発が山登りなんてパワフルですね。
    それこそ蛹になって羽化して飛び回りそうな勢いですね。
    一愛読者としては、これからの精力的な記事に期待が高まります。

    (勝手に妄想しといて、さっきからずっとグータラさんに羽が生えて飛んでる絵面が脳裏から離れません。安心してください、そこにザ・ピーナッツはおりませんので😅)
    今年もよろしくお願いします。🤲

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    1. 実は、京都は因縁の地なんです、ワタクシにとって。
      あと一、二箇所行くべきところがあるんですが、いつになるやら(笑)
      今年度はもうちょっと頑張って書きたいとは思ってるんですけど。
      ホントに羽が生えて飛べたらいいんですけど(笑)

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  2. 近畿も古代の遺跡が多く、水没した丹生川神社などの縄文時代の色んな遺跡を見て行くと、大和の繁栄や渡来人の屯所であった以前にも、ひと文明あり、その前にもピラミッドぽいグローバルな文明の痕跡を感じたりして、、。なんだか時間軸がガタガタで咀嚼が難しいなと途方にくれます。脳の中カオスです。(基本的にいつもカオスですが😆)
    だから時々当て字の長い漢字名を読むのも辛く、YouTubeで読み上げてるのを聞きたいと思う程です。グータラさんは古文書を読解して、書いてる側なので本当に頭が下がりますよ。こんな宝をまだ完璧に重用できてない徳島はなんて勿体無いことをしてるんだと思います。まるで臥竜鳳雛です。
    (ところで丹生川といえば愛媛の西条にも丹生川って地名ありましたね。丹生一族も。)ともあれ足腰元気そうで何よりです。(決して爺様扱いしてるんじゃないですよ。以前山登り辛そうでしたので😅気遣いです気遣い。)この調子でもう二箇所、鱗粉マキマキ飛んで行って、調べて来て書き書きして下さいませ。
    楽しみにしております。

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    1. またまた、山の話が出てくるんですが、最近お山にご縁がある様で(笑)
      愛媛の西条にも丹生川があり、水銀が採取され、阿南の若杉山、神山の丹生山、和歌山の丹生都比売神社にいたる中央構造線に沿って水銀と丹生を採掘する一族の存在。
      忌杖(いみづえ)を突きながら水銀を求めていたことと、丹生都比売が伊邪那岐命の子で天照大神の妹であったことを考えれば、ひとつの仮説ができる様に思えます。
      まあ、それはまた別の機会にね(笑)

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